次元交差:人間以上、人間未満

間借り状態のままに地上世界を生きる、はみ出し人間の霊的旅路や思い

あの子は誰?

私は東北のとある県に移住して来たわけですが、実はこの地には親戚はおろか、知人の一人もいません。私にとっては見知らぬ初めての土地です。
そこにシニアの私がたった独りで移り住みました。そして数年が経ち、ここでの生活に慣れてきた頃でしょうか。

一昨年前のこと…だったと思います。いぇ…コロナ禍のマスクが始まる前だったかな。
ある日、私は近所のスーパーに行きました。そこは行きつけの店ではないので、たまに行く程度。
買い物を済ませて出口近くまで来た時でした。家族連れ(祖母と親子の3~4人)の買い物客が談笑しながら入店しようとやって来るところでした。自動ドアが開いて先陣を切って小学校低学年の元気な男の子が入って来ました。彼は私の方を見るなり、にこやかに大きな声で「こんにちはっ!」。

私はぼんやりしていたので一瞬びっくりしましたが、その子が私の近くの誰かに挨拶をしたのだと思いました。
誰の返答も無かったので、私はササっと周囲を見ました。が、私のほかには…誰もいませんでした。
ということは、彼は私に挨拶をした、ということになります。私は慌てて「あ、こんにちは~」と、にっこり挨拶を返しました。私は彼の家族に対して軽く会釈しながらすれ違い、外に出たのですが、さて…彼はいったい誰なのか?
初めて見た子なので当然知りませんし、彼の家族の誰とも全く面識がありません。

ずいぶん前。当時私が住んでいた県の山の方というか、けっこう田舎の方へ行くと、小学生や中学生が知らない人にも挨拶をしてくれることはよくありました。でも、今住んでるここはけっこう都会ですし、今のご時世、そんなことはありえないと言っても過言ではありません。

ここ東北に来てから初めての経験でした。不思議に思いながら駐車場の車に戻りました。
彼は私に対して挨拶をしてくれたのでしょうか。それとも…私の近くに、彼だけに見える・彼が知っている『誰か』がいたのでしょうか。。。 
なんにしても、あの子は誰? 私は…、...知らん。