かれこれ30年以上も前の体験です。40年かな…。
当時は自室の中で頻繁に寝る場所を変えていました。
あの日の夜は、自室のドアと窓の直線ライン上に寝ていました。ドアが北側で窓が南側です。ドア方向が足で窓方向が頭という向きです。そして足がドアまで近い。
仰向けに布団に入りしばらく経ったころ、突然、金縛りに遭いました。
金縛り自体は慣れているため、怖くは無いし、慌てることもありませんでした。
動かない身体と苦しさに耐えていると、足首あたりから両脚の上を伝って何かが顔方向に歩いて来る感覚がありました。それは鶏の卵を少し大きくしたサイズで、歩幅は小さいのですが、とてもゆっくり交互に1歩ずつ。重さというか、抑えられる圧迫感が移動して来ます。
なんとも嫌な感じでした。ソロリソロリ来るところをみると幽霊かもしれない。そう思いました。
憑りつこうとしてるのか脅そうとしているのか、それともからかってるか。
私は金縛りに遭っていても、部分的にはある程度コントロールが出来たりします。その時は幸い口が利けたので、声に出して強い口調で言ってやりました。
「あのさぁ、通るのは構わないけど…踏んで(行)かないでくれるっ!?」
次の瞬間、ビクッとしたような感じが伝わって来て歩みがピタリと止まりました。そして「それ」はサッと消えてしまいました。
逃げたか…。