次元交差:人間以上、人間未満

間借り状態のままに地上世界を生きる、はみ出し人間の霊的旅路や思い

クンダリーニの上昇と深淵(3)

戻ってきた私は疲れもあって、そのまま眠りに就きました。久しぶりにぐっすりと眠れたのでした。
翌日、私は昨晩の出来事について考えていました。

一人で異なる場所から自分を見ている感覚は不思議でした。中の自分と外の自分が同時に存在していて、一方は身体の外から『私(の意識)』の塊が背骨に沿って移動して行くのを見ているのです。そしてもう一方は『私(の意識)』の塊の中に居て、現在進行形の移動中という感覚を味わっているのです。途中でそれら2つの自分の意識に気付いて「あれっ?変だなぁ」と思ったら、片方ずつ意識を瞬時に切り替えていました。

それから頭頂部から出た感覚も、実際に穴か何かがあったという感触は無くて、とにかく狭いところを通って、すんなり…スッと広い外に出られた感がありました。それまで重苦しい感じだったのが突然軽くなって、空間(周囲)から受ける抵抗も無いし、空間自体が澄みわたっていたので『外に出られた』と思ったのでした。

ともかく、死ぬことなく発狂することもなく…異常も無く戻って来られたことで、「とりあえず『拷問』のような激痛と苦しみが続くのを回避できる」とわかって私の心には少し余裕が生まれました。次にまたこのような事態になったら、今度は少し様子を見てみよう(観察してみよう)と思ったのでした。

それから数日間、何事もない日々が過ぎて行きました。
そしてある日、その機会が巡ってきました。再び金縛りと激しい苦痛に襲われて、一気に上方へ引っ張られて行く感覚がやって来ました。
私の心は落ち着いていました。ある意味、新しい情報を得られるチャンスです。今回は頭頂へ向かうための意識集中をすっ飛ばして、あっという間に外に出ました。そこまでとても簡単でした。考えずに出来てしまったのです。
そして私は澄み渡った何も無い静寂の空間の中、仰向け状態で横たわって浮いていました。自分としては…そんなふうに感じていました。

・・・つづく・・・