次元交差:人間以上、人間未満

間借り状態のままに地上世界を生きる、はみ出し人間の霊的旅路や思い

積み重なる層状の空間

ある夜の就寝時のこと。時期としては、肉体からの離脱実験をしてから2~3年後ではないかと思います。
…が、はっきりしません。また、金縛りに遭ったような記憶もあるのですが、あっという間に『外』空間に行った感じなので、果たして金縛りがあったのか…それとも夢の中だったのか、そのあたりも…はっきりしません。
ただ、暗い空間の中に浮かんでいる感覚はハッキリありました。そして、肉体は見えないのですが、肉体でない『型』としての意識と共に居ました。

仰向けではない状態で…どちらかと言うと立っているような状態で、私は上昇しました。スッと素早く。
すると目の前を、厚みのあるたくさんの黒→薄い灰色までの層状に重なった空間?が通り過ぎて行きました。それらの層は各々が半透明っぽくて、境は少し「節」があるようにも見えるのですがやはりちょっと厚さがあり、全体を見渡すとグラデーションのようになっていました。ミルフィーユに例えることができるでしょうか。そんなふうに何層もありました。

始めはそれらが何なのかわかりませんでした。私はそのまま上昇して行ったのですが、突然、バネ・クッションのような振動というか、トランポリンのような反復の動きになって、それから停止しました。それ以上は上昇できなかったのです。
そして私が止まった目の前の空間は光に満たされていました。わりと明るいのですが強い光ではなく、蛍光灯のような光でもなく、白熱電球のようでもなく…強いて言うなら、ちょっと黄色がかった白の柔らかい光でしょうか。

気づくと私はその空間の中に居ました。見覚えのある部屋の天井あたりから見下ろしている自分がいました。
眼下の光景は、昔…子供の頃に住んでいた家の和室でした。昭和の時代です。
細い掃き出しの木製引き戸には、格子状に組んだ細い木枠があって、曇りガラスが嵌っています。その上部には空気を入れ替えするための?高さの無い横長の天窓がありました。これもガラスが嵌った木製の引き戸。部屋内部には襖2枚の引き戸式の押し入れもあり、懐かしい感じがするのですが、部屋全体の様子は子供の頃の記憶と少しだけ違うような…。そんな気がしました。
家具は殆ど見当たりませんでした。ひとつ目立ったのは、古いミシン。ミシン本体が踏板を取り付けた作業台に収納できるようになっているものです。カバーが掛かっていましたが、紛れもなく母親の足踏みミシンです。でも、昔の記憶では、そのミシンはその部屋には置いていなかったのですが。

それでもしばらくそこに留まって見つめていました。部屋には誰もいませんでした。空間の感触は殆ど憶えていませんが、見える様子は…密度が高いせいなのでしょうか、少しどんより…というより、水が入った水槽を通して見ているような質感でした。

その後、また気づくと…私は元の日常空間=自分の布団の中でした。ちょっとノスタルジーに浸りつつも、ミルフィーユのように層状に積み重ねられていた空間?の様子を思い出していました。私はそれを見ながらエレベータのように動いたのかな?…などと思ってみたりしました。

それから何十年も経って、私は「空間(世界)は密度の違いでグラデーションになっている」とかいう話を知りました。インターネットか何かで。
この体験をした頃は、そんな話は欠片も聞いたことがありませんでした。私は…それを見ていたのだろうか。。。

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