次元交差:人間以上、人間未満

間借り状態のままに地上世界を生きる、はみ出し人間の霊的旅路や思い

エンジン停止の怪(続)

キーが左回しで完全に戻っていた=電源も停止していた=ウインカー点滅が消えてダッシュボードの表示も消えた。そういうことになります。それは当然でわかるのですが、でも、その操作をしたのは…いったい誰なのでしょうか? 車の中には私しかいないし、誰かがドアを開けて乗って来た…わけでもない.。
となると私が止めた? いやいやそれは無い。私、絶対止めてない。ずっとハンドルを握ってたし、そもそも状況的にも(エンジンを)止める必要なんて無いわけで。
もう全然、わかりませんでした。ふと、右膝の内側の感触が関係あるのかしら…?と思いましたが、…にしても、キーの操作でそこに触れることはあり得ないのです。そんな遠回りの(手・腕の)移動をわざわざすることは考えられないし、第一、それだけの操作を瞬きするような一瞬で出来るはずもありません。

そこまで考えてまた我に返ります。とにかくエンジンが始動するかどうか、急いで確かめなければなりません。私はゆっくりキーを回してみました。すると、エンジンがかかりました。エンジン音は普通です。問題なさそうです。次にウインカーを操作します。こちらもすんなり作動しました。あとはアクセルとブレーキが正常かどうか、です。
前方を見ると…信号が青になりました。前の車が動きます。アクセルとブレーキは…走ってみないと確かめようがありません。後ろ(車列)もありますので、進んでみるしかないということで、静かにアクセルを踏みました。私の車は…問題なく走り始めました。それでもまだブレーキの不安がありました。私の家までには、少ないですが、信号があります。でも信号停止でブレーキを試すわけにはいきません。もし効かなかったら…衝突の危険がありますから。

幸いにもこの道は幹線ではありますが、交通量はさほど多くはありません。なので途中で何度か車を左に寄せて停めてみることにしました。結果は大丈夫でした。何の問題も無く停止と発進が出来ました。
それでも帰宅してエンジンを止めるまで緊張しまくりです。調子良く走っていても、突然またエンジンが止まってしまうのではないかと。

心配はしましたが、道中、何事も無く家に着きました。カーポートに車を収めホッと一安心。疲れてグッタリでした。少しの間ボーっと休憩して、それからまた、ここまでの状況を思い出しながら車の中で考えてみました。
エンジンを止めたのが私だとしても、1秒以内に止めるのは物理的に不可能です。実際、あの時の視界のコマ飛びは『0コンマ何秒』ですから、もっとありえません。
でもとりあえず時間のことは置いといて。
『物理的に操作した場合、腕もしくは手が右膝頭の左側面に触れることはあるだろうか?』を実際に確かめてみました。その結果、やはりキー操作のためにそこに触れるというのは…何か別の目的も無い限り起こりようがありません。その別のことも…考え付きません。あの状況ですることは何も無かったですから。

エンジン停止のキー操作で右膝に触れるもう一つの可能性としては、キーホルダーがあります。
私のエンジンキーにはちょっと長めのキーホルダーを付けています。なのでキーを差し込むと、キーホルダーのぶら下がった飾りが膝に触れるかもしれない、と思ったところが…膝には届きませんでした。坂道だったことを考慮しても、全く長さが足りません。それ以前に差し込み口から垂直に下がった位置と右膝はけっこう離れています。大揺れの地震でもない限り、距離は詰まりません。まぁ揺れても、そもそも私のキーホルダーでは届きません。
ということで、キーホルダーの可能性は却下です。

というわけで結論としては、私がエンジンを止めるのは時間的に不可能。右膝の感触の原因も全く不明です。
あと…。あの交差点での信号待ちですが、あれも変です。信号が変わるまでが長すぎるのでは? 
ただ…今となって思うのは、…一瞬は永遠でもあるから、さもありなん。そのようなことを何度も体験しているので、私の中では確信めいたものがあります。
そして、この不思議な現象(事件)は、奇しくもこの日の夕方…ちょうどそのあたりの時刻に、私が子供の頃にお世話になった近所の小母さんがこの世を去った(後にその家のお嫁さんから聞きました)ので、…お別れに来てくれたのかな、なんて思ったりもしています。わかりませんけど。