次元交差:人間以上、人間未満

間借り状態のままに地上世界を生きる、はみ出し人間の霊的旅路や思い

「金縛り」破り

高校3年生の時のことだったと思います。けれど…記憶は定かではありません。でも暖かい時期でした。秋口だったようにも思います。とにかく晴れた日でした。

離れのプレハブ自室に居ました。なんだか疲れっぽくて眠いような…。それで、床に置いた3つ折りスポンジ・マットレスに上半身を載せて横になりました。するとまもなく金縛りに襲われました。苦しくて、また身体も動きません。揺れているようにも感じましたが地震ではないだろうと思いました。それでももし本当に地震が起きているのなら、少なくとも頭を守ったほうがいいと思ったのでした。そして、ここは勉強机や棚から物が落ちて来たら危ないから少し離れた作業机の下へ行きたい、と思いました。

前回の金縛りの時のことを思い出しました。『あの時、肩というか首から上を少し動かして頭の位置をずらすことが出来た。だから今回も出来るかもしれない。ひょっとしたら起き上がれなくても動けるかも。ここから机の傍まで移動できないか…?』そう思いました。
私は苦しい中、動かない両足に意識を向けました。膝を立てたい!そう強く念じ続けました。すると…、ゆっくりですが出来たのです。それにはかなり力を必要としました。
それから両足の裏とお尻を使って身体をずらし、上半身をマットレスから床へ降ろすことに成功しました。
次は作業机のすぐ横に移動して頭だけでも机の下に、と強く思いました。念じ続けながら同じように足の裏とお尻を使って背中を滑らすように進みます。少しずつ確実に。こちらも成功。
そうこうしているうちに揺れ感が収まっていました。ただ、相変わらず金縛り状態が続いています。
私は思いました。脚と足を動かせたのだから、腕と手も動かせるのではないか、と。

右腕を伸ばして机の天板の角(机の脚より外側に出っ張っている)を掴もうと思いました。そうすれば上半身が起こせるかもしれない、と。
必死に腕を伸ばします。脚の時と同じで、ものすごく力が必要でした。なので腕に集中すると脚は動かなくなります。金縛り状態は意志の力で部分的には解けたわけですが、目的(意識を集中した)以外の部分は元の金縛り状態に戻ってしまうようでした。
どうにか腕を揚げて伸ばせましたが手首から先が言うことを利きません。どうしても机の角を掴めないのです。なんとか指を動かそうともがき続けましたが…ダメでした。
私は右手での挑戦を諦めて、今度は左で試みました。ちなみに私は「右利き」です。
苦闘の末、左手が机の天板の角に届きました。『掴む、とにかく掴む!』手を見つめ念じ続けます。…と、指が動き、親指と残りの指で天板を挟むように掴むことが出来ました。次は渾身の力で身体を起そうと引っ張ります。数十秒の格闘でした。突然スッと全身の力が抜け、金縛りから解放されました。

私は大きく息をつき、左手が掴んでいる机の天板を頼りに身体を起こし、それからゆっくり立ち上がりました。例のごとく汗びっしょりでした。それでもしばらく休むと、少し疲れはあるものの、いつもの元気な状態に戻ることが出来ました。
地震は…たぶん無かったでしょう。とにもかくにも金縛りを意志の力で少なからずコントロールできたのは収穫でした。でもまぁ…しんどいので…あまりやりたくは無いです。どうしても…無理にでも解かなければならない事態になったら、その時は試みるけど、それ以外は自然にまかせようかな、と(その時は)思いました。

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参考記事:クンダリーニのさらなる現象(2022/11/07)