次元交差:人間以上、人間未満

間借り状態のままに地上世界を生きる、はみ出し人間の霊的旅路や思い

三宅島噴火(1983年)

私は当時、会社員で事務の仕事をしていました。
少し前(数か月前?)から世間では「富士山の噴火」についての話題が花盛りでした。今で言う都市伝説?か何かだったのか…よくわかりませんが、いろいろな人がその話をしていました。勿論、富士山に噴火の兆候は無く、ただ単に?『噴火するかもしれない』ということで騒いでいたみたいです。

このころの私は、事務部門の人たちの間でちょっと「知れた存在」になってしまっていました。「知れた存在」というのは、私がいくつかのことで予知のように『事前にわかってしまったこと』を基に先回りしてた…みたいなことがバレたというか、知れ渡って?しまっていたからです。
勿論私には予知する意図はなく(意図しても出来ないし)、突然頭の中に飛び込んできた事柄をこれまた意図せず口にしてしまうということがよく起きたのでした。『何故かわからないけれども結果的にそうなった』というだけのことなのですが…。

まぁそれでも、そんなこともあっての、9月下旬のある日のことでした。
会社のトイレでたまたま会った隣の課の人(年上の女性)から訊かれたのでした「富士山は噴火するの?」と。私は「いや、そんなことを訊かれても私にはわからないよ」と答えたのですが、彼女は「けっこう周り(社外)でも、そういう話ばかりじゃん。本当に噴火すると思う?」とか…しつこく話しかけてきたのです。私はしばらく沈黙して、それから言いました。「ホントにわからないよ。でも私は…どちらかと言えば伊豆諸島の方が怪しいと思うんだけどね。いつとかは…わからないけどね」、そう言い残して私はトイレを離れました。私はどうしてそんなことを言ったのか自分でもわかりませんでした。

帰宅してから大判の地図帳を広げてみました。富士山と伊豆諸島が載っているページを開いてしばらく見つめていました。その地図には富士山から伊豆半島、そして伊豆諸島の配置がわかるように構成されていました。そしてそのページの下隅には大島と八丈島の拡大図も乗っていました。

ふと手が動き、ある島の上で止まりました。実は、その時は島の名前は知りませんでした。調べる気も無かったです。ただ『この丸っこい島…』と…何故かなんとなく気になったのでした。理由はわかりませんでした。
それから私は伊豆諸島全体を眺め、どういうわけか『丸っこい島』を指さし、その後更に南方の島へ指を移動。そこから『10月1日…2日…3日…4日…5日……7日…』と呟きながら富士山まで島々をたどります。何度かそれを繰り返しました。小さな島もあるし、島々が一直線にきれいに並んでいるわけでもないので、繰り返す度に若干ズレるというか他の島を指していたりもしました。それでもだんだん固定化されて行きました。なんどやっても『丸っこい島』が10月3日になりました。『なんだろう…。でもちょっと気になるなぁ。』 その時はそれ以上追求せずに終わりました。そもそも何故そんなゲーム?めいたことをしたのかもわかりませんでしたから。 

そして迎えた10月3日。私は…半ば…忘れていたのですが、起こったのでした。そう、伊豆諸島での火山噴火です。ニュースを聞いたとき、伊豆諸島・三宅島とのことでした。
私は例の大判の地図帳を広げ「三宅島」を探します。すると…。「あっ!」私は驚いたのでした。なんと「三宅島」は、過日私が指さしたあの『丸っこい島』だったのです。しかも、何度たどっても「10月3日」になった…あの島。それが三宅島。

とても驚いたことを憶えています。
富士山よりも伊豆諸島が怪しいと口をついて出て、しかも実際三宅島で噴火したから。
余談ですが、私の予知的経緯を正確に記憶していた理由は、この年の10月5日、映画「スターウォーズ」の日本語吹き替え版がテレビ放映されると巷で話題になっていたからです。世間では声優を務める俳優(配役)に喧々囂々。賛否両論でのほぼ「否」が大勢でしたね。